キュア~禁断の隔離病棟~の批評・感想(ネタバレあり)

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キュア~禁断の隔離病棟~の批評・感想(ネタバレあり)

2016年にアメリカで放映された映画「キュア ~禁断の隔離病棟~」の批評・感想をネタバレ含めて解説していきます。

後半の方でネタバレしていますので、ぜひ楽しみにしてください。

キュア~禁断の隔離病棟~の概要

公開年 2017年(ビデオ公開のみ)
日本配給元 20世紀フォックス
放映時間 146分
アメリカの原題 A CURE FOR WELLNESS
監督 ゴア・ヴァービンスキー
出演キャスト ロックハート: デイン・デハーン
ヴォルマー医師: ジェイソン・アイザックス
ハンナ: ミア・ゴス
ペンブローク: ハリー・グローナー
ワトキンス: セリア・イムリー
副所長: エイドリアン・シラー
エンリコ: イーヴォ・ナンディ
ウィルソン: カール・ランブリー

制作された「キュア ~禁断の隔離病棟~」は、ホラー・サイコスリラーのジャンルに分類される映画です。

本作では、イギリス出身のファッションモデル ミア・ゴスが一糸まとわぬ姿でバスタブに使っているシーンがあります。そのシーンが衝撃的すぎて、アメリカの一部男性たちの間で話題になった作品でもあります。

しかも監督をしているのが次のような人気映画をてがけたゴア・ヴァービンスキー監督です。

ゴア・ヴァービンスキー監督作品一覧

  • マウス・ハント
  • ザ・メキシカン
  • ザ・リング(日本のリングのリメイク版)
  • パイレーツ・オブ・カリビアン
  • ランゴ
  • ローン・レンジャー

「パイレーツ・オブ・カリビアン」の3作品は、ジョニー・デップのコミカルな役柄も受けて特にディズニーにドル箱をもたらしたことで有名になっています。

そんな有名監督が作ったのが本作「キュア ~禁断の隔離病棟~」なのですが、日本では劇場での放映は行われずDVD・ビデオのみのレンタル・販売となっています。

 

ゴア・ヴァービンスキー監督は、本作で2作目のホラー作品ですが、「ザ・リング」とは違い”独特の世界観”で描かれて、見るものを楽しませてくれる映像・カメラワークで表現されています。

ここで簡単にあらすじをご紹介しておくと、

一度入ったら出られない、療養施設の禁断の秘密-予想外のクライマックス、衝撃のラスト15分を見逃すな!NYの金融会社で働くロックハートは、アルプスの療養所に出かけたまま戻らない社長を連れ戻すように会社から命じられる。彼は療養所に着いてすぐに社長との面会を求めるが、面会時間を過ぎていて会えない。ホテルに戻る途中、車で事故にあい脚を骨折したロックハートは療養所に戻ることに。そこで、ようやく社長に会えるが彼はすぐに行方不明となってしまう。ロックハートは社長を捜しながら治療をしていくうちに、この施設の恐るべき秘密を知るのだった--!

(引用元:GYAO!

といった感じになります。

 

それでは、これからより詳しい「あらすじ」をネタバレ含めて解説していきます。

もしネタバレ前に作品自体を見ておきたいという場合には、Amazonプライムで配信されていますのでチェックしてみてください。

ネタバレを含めたあらすじを解説!

昼間はお金が飛び交う金融街「ウォールストリート」の高層ビルの中で、誰もいなくなった夜にデスクに座り仕事にはげんでいるのは「社内の年間最優秀営業マン」に選ばれた男。

ふと「ある封筒」に彼の目が止まります。すると急に胸が苦しくなり、水を飲み、一息ついたか…と思っていたら、彼は急に痙攣を始めて、その場に倒れ込んでしまいます。

 

日は変わり別の日。金融業で成り上がってやると野心をもつ若者・ロックハートは、スイスの療養所に行ったまま社長ローランド・ペンブロークを”連れ戻し”に列車に乗っていました。なぜ迎えではなく、連れ戻しなのか?!というと社長が次のような手紙を残して会社を去っていたからです。

「親愛なる役員諸君。真実は否定できない。目覚めた者が暗闇に戻るのは不可能だ。胎児に戻れないのと同様に…。

人間は内省できる唯一の生き物だ。自分を疑う気持ちがDNAに刻まれている。そんな能力があるのに我々は造り、買い、消費し尽くす。そして物質的な成功の幻想に囚われている。人を騙して欺いて達成の先にある高みまで這い上がり、他に対して優越感を感じている。

我々は病んでいる。病が胆汁のように込み上げ、喉の奥に苦い後味を残す。テーブルを囲む皆が病んでいる。だが我々は認めない。体が心に反してこう叫ぶまで。私は病気だ。今は君たちは合併が気がかりだろう。病に侵された2社の不健全な融合が。だが真実は無視できない。病は原因を知って初めて治療法が見つかる。

私は戻らない。今後は連絡しないでくれ」

列車の中でロックハートは不服な気持ちでいっぱいだった。

なぜならロックハートは社内で出世して、やっと念願だった角部屋を手に入れていた。

これからますます仕事を頑張って、出世しようとしていた矢先に金融業とは関係のない「社長を探す命令」を受けたのだから、その気持ちももっともかもしれない。

 

しかし会社のトップである社長が、気が狂い「社内の極秘情報」を漏らしてしまうリスクを回避するため仕方なくロックハートは、役員からの命令を断れず受け入れて、列車に乗っているところだった。

列車が療養所近くの駅につき車に乗り換えて、運転手に目的地を告げると「その療養所はリッチな人ばかりで、出所する人はほとんどいない」ことをロックハートは耳にします。

しかも車で向かう途中で通った村では人々が、ロックハートに対して敵意を向けてきます。村人と療養所の間になんらかの因縁があるようです。

 

車はしばらく走ると、目的地の療養所である古城「フォン・ライヒマールの屋敷」につきます。そこにとんでもない秘密があるとはつゆ知らず屋敷に向かうロックハート…。

キュア~禁断の隔離病棟~の批評・感想

クチコミ・評判

いろいろなサイトでは「ゴシックホラー」「サイコサスペンス」と言われているキュア~禁断の隔離病棟~ですが、個人的にはホラー要素はかなり少ないと感じた作品です。

どちらかというとミステリー的要素が強いまま物語は進行していきます。

 

上記のあらすじでは解説していませんでしたが、実はロックハートは野心が強すぎるゆえに禁断の「マネーロンダリング」に手を出してしまいます。

しかも会社の合併前に、その証拠を重役たちに捕まれ、会社の不正をすべて社長に負わせるべく療養所に探しにきていたのです。

 

療養所に向かうシーンまでは、なんともない世界感ですが…

療養所をロックハートが訪問した際に、出迎えた看護師が出てきたあたりから「違和感」が感じ始めます。その後、次々と不可思議なことに見舞われるロックハート、彼の1つ1つの対応はみものです。

 

また物語の中でしばしば登場する「ウナギ」。

日本でも馴染み深いウナギですが、昔のヨーロッパではウナギは

  • 地中から生まれ出る
  • はがれ落ちた皮膚の破片から稚魚が生まれる

と考えられており「不老不死」の象徴とみなされています。

 

療養所ではこの「不老不死」と、もう1つ純血を守る”ある行為”が行われています。

しかし不老不死だけでもお腹いっぱいのところに、もう1つの純血を守るための行為の必要性が少々説得性にかけてしまっている印象です。

その上、ロックハートが”その行為”をしなければ、「用務員を殺した殺人罪」を着せられるという少々無理がある設定。

 

ゴア・ヴァービンスキー監督が、自分の好き勝手に作っていいという条件で作った本作。このため、今までやりたかった世界観を全部入れ込んでしまったのかもしれない…というのが見た後の感想です。

 

ただ、映像美やカメラワークはベテラン監督が作っただけあるなぁ〜と感じさせてくれる作品なので、物語を楽しむより映像を楽しむという視点では見る価値があるかもしれませんね。

 

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